公開日 2022年07月29日
2022年7月5日に,第101回拡大版さぽっとカフェを開催しました。今回は本年度から改正育児・介護休業法が段階的に施行されるため「男性育休を考えよう!家族を支えるパパ支援」と題し,講師としてFathering Japan関西副理事長の阿川勇太氏(大阪総合保育大学)をお招きしました。当日は, 島根大学,島根県立大学,島根県,市町村やその他県外の複数の大学から22名が参加しました。
はじめに今回の企画運営に参加頂いた,医学部附属病院小児科心理士伊藤氏から,ご自身の育休時に家族(ママ)との考え方の違いからの失敗談について紹介がありました。
続いて,阿川講師からも第2子と第3子の2回の育休体験についてお話しいただきました。6年間の間に男性の育児休暇も認知され,以前は職場への交渉から始まったのに対して2回目は問題なく認められたが,男性育休の大半は2週間~1月と短期間のため人員補充なく,休暇期間中の仕事を本人が裁かないとならないお話しをいただきました。また,1度目は育休を取ることが目標になってしまい,休暇中の役割など夫婦間での十分な話ができず休暇が終わる頃になって気づいたこともあったため,2度目は,生まれる前から何度も話し合ったとのこと。自分の仕事の都合を考慮しつつ,育休の期間や時期を妻が一番助けてほしい夜泣きが大変になる時期に合わせ,ちょうどそのあたりの時期が8月頃だったこともあり,上の子の小学校の夏休みのタイミングで家族休暇を取ることになったことなどご自身の経験をもとにお話しいただけました。
セミナー後半には,4月に改正された育児休業制度の内容説明と,父親の育休参加による家族への影響についてお話しいただきました。制度面では雇用環境整備として育休の申し出が円滑に行われるよう事業主が行う措置の紹介があり,実際に取得された方の事例や相談窓口で対応した事例を収集することで研修の際にも活用できる,など複数の措置を行う例を紹介いただきました。
また,家族への影響については,過去20年間データで夫婦の家事・育児時間の変動について,夫の時間はそれぞれ20分/日増加しているのに対し,妻の時間は変わっていない事が紹介されました。増加した夫の家事・育児は妻と一緒に行っていることが分かるそうです。夫が家事・育児を1人で行うことにより妻の負担感が減る,本質平等や満足感が必要であると説明頂きました。
父親の育児を職場が応援することをきっかけに,介護,自身の病気など,職員全体の仕事のアンバランスさを是正し,全員のワークライフバランスを守ったため,健康経営の視点から見ても業績が上がる傾向がある事が分かってきているそうです。
短時間ではありましたが,育児休業制度の改正についてだけではなく,男性育休の問題点など有意義な時間となりました。