島根大学 ダイバーシティ推進室

女性技術者・研究者の声/株式会社出雲村田製作所

株式会社出雲村田製作所は、1983年に設立された村田製作所グループの事業所であり、セラミックコンデンサの開発・生産を担っています。セラミックコンデンサは、スマートフォンやウェアラブル機器などモバイルデバイス、パソコン、電子レンジ、冷蔵庫、洗濯機といった一般家電から、自動車、医療機器、AIサーバーなどITインフラ等に至るまで、あらゆる電子機器に搭載されており、同社はこの分野で世界シェア40%を誇るトップメーカーです。現在も、さらなる製品の小型化・高性能化を目指して、研究開発が進められています。

また同社は、“Innovator in Electronics®”をスローガンに掲げ、多様な人材によるイノベーションの創出を目指して、ダイバーシティ&インクルージョンの推進にも力を入れておられます。2019年には企業主導型保育園を設置し、育児休業制度の充実化を図るなど、女性にも働きやすい環境づくりに積極的に取り組まれています。さらに、300円程度で美味しいくお腹が満たされる社員食堂も社員にとっての大きな魅力の一つとのことです。

こうした取り組みの成果として、現在約5,500名の社員のうち、女性社員は約25%を占めるようになりました。また、ここ数年は毎年女性の技術者が複数名ずつ入社しており、今では100名近い女性技術者が活躍しておられます。本日は、スローガン“Innovator in Electronics®”のもとでダイバーシティ&インクルージョンを推進する同社の取り組みについて活躍されている、お二人の女性技術者からお話を伺いました。

 

生産技術開発2部 生産技術3課 松田絵梨子さん

私は岡山大学大学院自然科学研究科 生命医用工学専攻を修了し、2018年に出雲村田製作所へ入社しました。現在は、コンデンサ製造に用いる機械の開発に携わっており、現場からのニーズをもとに、企画立案から工法・設備の開発まで幅広く担当しています。設備設計業務はチームで進めていますが、私は使用部品の選定、電気回路の仕様決定、さらにはプログラムの作成・デバッグまで一貫して関わっており、世界最先端の設備をここ出雲の地で生み出せることに、大きなやりがいとワクワク感を感じています。もちろん、忙しい時期や他部門との調整・交渉など、簡単ではない場面もありますが、チームで力を合わせて乗り越えていく日々は、まるで学生時代の部活動のような“青春時代”の延長のようにも感じられ、前向きに楽しみながら仕事に取り組んでいます。

また休日には、仲間と一緒にマラソンや登山、キャンプなどアウトドアを楽しむことも多く、仕事もプライベートもとても充実しています。自分らしく、のびのびと働ける環境に感謝しながら、これからも挑戦を続けていきたいと思っています。

 

セラミックコンデンサ事業本部品質保証部 品質保証7課 ゲオムーン・タッサワンさん

私はタイ出身で、チェンマイ大学にて物理学と材料学を専攻しました。2008年からタイ村田製作所で品質保証業務に携わり、2022年に出雲村田製作所へ入社しました。品質保証の仕事は、顧客と製造部門の橋渡し役として、製品やサービスが顧客の要求や規格を満たし信頼性の高いものとなるよう調整する、重要な役割です。具体的な業務内容は、得意先や国内クレームへの対応、品質管理システムの支援などで、継続的改善のマインドセット、リスク管理能力、そして高いコミュニケーション力が求められます。

この仕事の魅力は、製品やサービスの品質向上に直接貢献できることに加え、様々な部署と連携しながら課題を解決していくプロセスにあります。時には問題発生時のプレッシャーや、法規制・規格の変化への対応に苦労することもありますが、それ以上にやりがいと達成感を感じています。

またリフレッシュの機会として、タイの工場へ品質管理業務で出張することがあり、懐かしい仲間たちと再会することで心が安らぎます。日本では、友人と一緒に登山に出かけることもあり、自然の中でリフレッシュする時間が、仕事への活力にもつながっています。

 

お二人ともパワーポイントを使って、ご自身のお仕事についてとてもわかりやすく説明してくださいました。社内では勉強会もたくさん開催されていて、大変なことも多いかと思いますが、お話の中で出てきた「青春のようです」という言葉がとても印象的で、学ぶことの素晴らしさを改めて感じました。是非この熱意と経験を、ネットワークの仲間や学生たちにもシェアして頂きたいです!