公開日 2020年09月30日
2020年7月27日(月)「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」キックオフシンポジウム「ダイバーシティ研究環境実現に向けて-多様性を活かして、ひとり一人が輝く未来へ!-」をオンライン開催いたしました。
本事業を遂行するにあたり、どのような課題があり、どのように立ち向かえば良いのかを考える機会として「日本の社会・組織において、女性の活躍を阻むものとは? ―無意識の偏見をなくすために―」と題して東洋大学北村英哉教授に基調講演を行っていただきました。
<講演でいただいた質問について、北村先生よりご回答いただきました>
Q1.
自分が持っているバイアスに気づいた時の次のステップ(どのように行動すべきか)についてアドバイスがもらえると嬉しく思います。また、バイアスは次から次に生まれるように思いましたが、いかがでしょうか?常にこれはバイアスかもしれないと自分に気づかせる工夫はありますでしょうか?講演中でも教えていただきましたが、参考文献を他にも教えてもらえると助かります。
A1.
偏見以外に共通する感情コントロールの心理学的知見ですが、特にネガティブな感情、思いについて(他者にでも自分に対してでも)、一度距離をとってみるということがあります。ネガティブな感情自体を自分のなかでふりかえって焦点をあてて眺めてみると、その由来、「実は自分が単にさびしいのだ」「自分を高く評価してほしいのだ」「自分が不充足感がある、ほめられたい」「自分がかしこいことを人にみせいたい」などさまざまな気づきがあって、本当に単に偏見相手のことを「嫌っている気持ち」なのか見当がつきます。多忙な生活のなかでは難しいですが、ふと気になったとき、3分でも時間がとれるときに以下の文献にもある方法をとると気持ちが変化してやわらぐことがあります。
参考文献: 伊藤義徳 他マインドフルネスを極める (東京マインドフルネスセンター ワークショップ集2) (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2019/6/25
Q2.
言葉やメール文面に散らばっている「無意識のバイアス」に気づけない同僚が居るとしたら、どのように対処するのがよいでしょうか?北村先生の講演内容に照らすと、それは「組織のリスク」とのことでした。面と向かって教えてあげるのでは逆効果となる気もしています。
A2.
上司の場合など対処がなかなか難しいと思います。フラットな同僚などの場合は、徐々に「今っぽくな~い」とか「古っ!!」とか「自分が何言ってんのかわかってんの??」など、最初は冗談めかしてマイルドに注意、気づきを与えて、バイアスのある発言をすることが「ダサい」ことだという雰囲気を職場内に増やしていくことがひとつの方略かと思います。
北村先生、貴重な講演をどうもありがとうございました。