島根大学 ダイバーシティ推進室

第103回拡大版さぽっとカフェ「LGBT当事者と考える みんなが生きやすい島根」を開催しました(オンライン)

公開日 2023年06月30日

 2023年6月28日(水)の昼休みの時間帯に,第103回拡大版さぽっとカフェをオンラインで開催しました。「LGBT当事者と考える みんなが生きやすい島根」と題し,講師として佐藤みどり氏(LGBT理解啓発講師)をお招きしました。当日は, 島根大学,松江高専,島根県及び各市町村,地元企業,県外の大学の他,県内外から68名もの参加申込がありました。

 はじめに,講師の生い立ちやカミングアウト,仕事を辞めLGBT啓発の仕事を始めたこと等を,詳しくそして分かりやすくお話しいただきました。特に中高生の時期に悩んでおられたことや,カミングアウトまでの期間やそれに対する周囲の反応など,参考になる話を聞かせていただきました。

 また,統計ではLGBT当事者は11人に1人の割合(AB型や左利きの割合)で存在していると言われていますが,実際の社会ではLGBT当事者に出会う割合は非常に低く,暮らしにくい人が多くいる事,LGBT当事者は自分は異常なのではないかと悩みを相談できず自殺者の割合が高い事も紹介いただきました。

 日本ではまだ同性婚は認められていませんが,全国的には人口カバー率は70%程度でパートナーシップ宣誓制度(公共住宅への入居や病院での家族扱い等,一部の権利を認められる)を行っている自治体も増えてきましたが,島根県を含む4県にはこれを行っている自治体もなくLGBTに対する理解も遅れていました。しかし,今年10月に島根県全体でパートナーシップ宣誓制度を導入することが決まったことで,これはLGBTについて島根県内に理解していただくチャンスだと考え,11月25日には松江市内でレインボーパレードを行うことも紹介いただきました。実際には周りの人から「島根に同性系の人はいるの?」「島根でもLGBTの人がいるんだ」という言葉を聞き,島根にもLGBTの人ばかりではなくいろいろ人がいる事を当たり前にしていきたい,そして『どんな人間でも生きやすい未来を子どもたちに作って生きたい』と宣言がありました。

 最後は,事前にいただいた質問「性に対して悩んでいる人(学生)への対応について」や「多様性を認める反面,自称LGBTの犯罪についての考えや報道」また「LGBT法案について」などへの回答も頂きました。

 事前質問も多く,限られた時間での講演となりましたが,小さいころから悩んでこられたこともお話しいただき,誰もがもっともっと住みやすい島根を作っていくという思いを持つことができました。