島根大学 ダイバーシティ推進室

SAN’INご縁ネット/荒木亜寿香先生(島根大学医学部)「あなたは病理医を知っていますか?ー臨床医の向こうにいるもう一人の医師」を開催しました

公開日 2022年03月09日

2022年2月21日(月) 12:00~13:00に第52回ご縁ネットオンラインミーティングを実施しました。今回は荒木亜寿香先生(島根大学医学部附属病院 病理部 准教授)をお招きし、「あなたは病理医を知っていますか?―臨床医の向こうにいるもう一人の医師」というテーマでお話しいただき、島根大学、松江高専、広島大学などから17名の参加がありました。

 まず、荒木先生ご自身の自己紹介の後、病理医としての仕事について詳しくご紹介いただきました。普段私たちが病院を受診した際に診察を担当する医師ではないため、病理医の存在は表に出ることはほとんどありません。病理医の仕事は、採取された患者さんの身体の一部を、顕微鏡等で観察し、病気の最終診断することです。観察対象の細胞の形が歪んでいたり、細胞内の核が異常に大きくなっていたりすると、その細胞は癌である可能性が高いそうです。そのような細胞のことを「顔つきが悪い」と表現されるとのことでしたが、とてもよく特徴をとらえていて面白かったです。

 病理医の診断に使用された患者の検体の残りはすぐに廃棄されるのではなく、一定期間病院内で厳重に保管されるというのも驚きでした。劣化を遅らせるよう適切な処理をされた上で保管され、患者からのセカンドオピニオンの要望があった時に再診断のために患者に渡したり、研究に使用したりするそうです。

 今回は病理医の仕事の具体的な内容を詳しく教えていただき、その存在がとても身近で、また重要であるという実感を持つことが出来ました。病理医である荒木先生からの「自分が見ている検体の向こう側に患者さんがいるということを忘れないように、という恩師の言葉を大切にして日々の病理診断を行っている」という言葉がとても印象的でした。